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M One News 00-35           2000/08/05 ストレイト・ストーリー

 映画『ストレイト・ストーリー』を見ました。
 
 アルヴィン・ストレイトという1人の老人が、兄が倒れたとの電話で、兄に会いに旅に出ます。
 時速8㎞のトラクターで。
 米国アイオワ州からウィスコンシン州の560㎞を、野宿しながら6週間もかけて。
 
 2本の杖が無いと歩けず、眼が悪いため車の運転もできないアルヴィン老人にとって、誰にも頼らず、自分でできる方法は、家にあるトラクターでの移動しか無かったのでしょう。
 
 車ならたった1日の距離をあえて自分のやり方にこだわるのは、彼自身の人生でどうしてもやり遂げなければいけないことだと、思っていたからに違いありません。
 
 
 子供の頃のように、一緒に星を見たい。
 ちょっとしたいさか諍いで、10年以上仲違いしていた兄とこのまま死に別れしたくない。
 
 人々の嘲笑と家族の心配をものともせずに、その最後の夢を実現すべく、自分の名前の通り、まっすぐに向かう老人の目は、少年のように輝いています。
 
 
 人は誰でもやり遂げなくてはならないものがあるが、自分はそれを持っているだろうか。
 そして、それを自分の力でやり遂げる意志を持てるだろうか。
 
 思わず、そう自問せざるを得ません。
 
 
 旅の途中で丘にさしかかった時、トラクターが故障して立ち往生したアルヴィンは、「兄のところまで車で送ろう」と声を掛けられます。
 「気持ちは本当に嬉しいよ。だが自分でやり遂げたいんだ」
 「いいかい、アルヴィン。この先は、まだ丘が続くんだよ。また故障したらどうする?」
 「だが、どうしても自分だけの力でやりたいんだ。ぜひ最後までやり遂げてみたい。志を貫きたいんだよ」
 
 そしてアルヴィンはまた走り始める―――――。
 
 
 自分の可能性を賭けてやること。
 それは、自分が生きた証しそのものです。
 
 見事に自力でやり遂げて兄とまた星を見ることができたのは、アルヴィンにとって、さぞかし満足だったのに違いありません。
 この話が実話であるだけに、深く胸をうちます。
 
 
 兄の家に無事たどりつき、兄との再会を果たすアルヴィン。
 「あれで来たのか?」
 「ああ」
 トラクターを見つめる兄の目に涙が・・・・。
 体が不自由な兄にとって、やはり体が不自由な弟がやり遂げたことに、感動がひとしおだったのでしょう。
 
 
 
 年を取れば、何もかもが減っていきます。
 死までの時間・体力の衰え・巡ってくるチャンスの数・・・・。
 
 全てが減っていく中で、本当にやりたいことを、1つか2つに絞らなくてはなりません。
 若い頃のように、脇道にそれたり、道草をしている暇はありません。
 
 「年をとるほど、失うものも大きいんだ」
 アルヴィン老人の言葉です。
 
 
 選択することは誰にでもできます。
 本当に重要なのは、できるかぎり他人に頼らず、自分で出来る方法で、自分が選択したことを、最後までやり遂げることでしょう。
 
 自分が決断したことにエネルギーを注ぎ、それ以外のことにエネルギーを浪費しない。
 何かを選ぶということは、他の何かを捨てることです。

 時間は有限です。
 限られた時間の中で何をするかという姿勢こそが、重要なのです。
 
 
 50~70才代の人には、人間的にすごく立派な人もいれば、全くそうでない人もいる。
 生まれたときには同じだったはずなのに、どうしてだろう?
 その以前からの疑問に対する1つの解答が、そこにはありました。

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