ポイント還元制度は、(顧問先には配布した)小冊子「Q&A改正消費税 社長のための経営対応策の要点」P.3に詳細が記載されていますが、その要点は、
・中小事業者から
・キャッシュレス決済で
購入 or サービスを受けた場合に、5%還元を9ヶ月間行うというもの。
クレジットカード会社などの決済事業者を通すことによって、事業者に対して5%を国が還元する制度で、消費者にどう還元するか(値引きするか、ポイントをつけるか)は事業者に一任されています。
消費税率アップ分2%で済む還元を5%と奮発したにもかかわらず、この制度への中小事業者の参加率は低いレベルにとどまっています。
その理由は、制度がわかりにくいことに尽きます。
経営者が高齢なうえ、消費者も敬遠しがちとくれば、9ヶ月間だけのためにシステム改修や操作方法を覚えるのは面倒だというわけです(実際にはシステム改修は決済事業者が行ってくれる)。
ただ、ポイント還元制度の本来の意義は、消費税負担ではなく、キャッシュレス促進にあります。
オリンピックを来年に控える中、訪日外国人による消費活動(インバウンド)を活発化させ、現金管理による手間を省き、日本経済全体の生産性アップを目指しているのです。
したがって、9ヶ月間で短期だからと取り組まないのではなく、効率性アップやニーズの取り込みという、経営的なスタンスから取り組むべきと言えましょう。
実際に、どのようにポイント還元が価格政策に反映するのか、見てみましょう。
飲食料品を取り扱わない小売店舗の消費税率は、表1のとおり。
この%分が本体価格にオンされます。
同じものであれば、明らかに中小店舗の方が安いので、消費者は中小店舗で買い物するでしょう。
それに対して、大手はどう出るでしょうか?
値下げや独自のポイント還元制度で対抗してくるのは容易に予想できます(表2)。
一般に、中小より大手の方が利益率は高く、値下げ余地があるから、もっと値下げしてくることすら考えられます。
この点からでも、中小事業者はポイント還元に積極的に取り組むべきと言えるでしょう。
一方、軽減税率の影響はどうでしょう?
中小レストランを前提に、試算してみました(表3)。
価格ギャップが同様にありますが、外食は店舗内の雰囲気など無形で享受する分があるため、さほど価格引き下げ圧力は無いと思われます。
コスト的にテイクアウトの容器代を考慮しても、安く済むはず。
とすると、「消費者のわかりやすさ」が最大の価格政策要因になりそうですね。
因みに、大手チェーンに関する現時点の情報を整理すると、テイクアウト価格と店内価格は、統一と不統一とで二分されるようです(表4)。
ご参考までに。
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